これはきついですね


 こちらの記事に拠れば、今月14日におきたイスラエルに対する自爆テロ事件の犯人が幼い子供のいる母親だったことが、パレスチナ人の間でも賛否両論を呼んでいるとのこと。


 本質的な問題はもちろん自爆テロという行為その物な訳ですが、自爆テロは圧倒的な軍事力でパレスチナを支配するイスラエルに対して苦肉の策として生まれた物です。当事者ではない僕にはとても「自爆テロはまちがっている」とは言えません。嫌悪はしますが否定は出来ない。そこには歴史の必然性があるからです。
 ただ、パレスチナムスリムも母親の自爆テロと言う物に対しては否定的な意見が多いようです。特に身内は彼女の行為に否定的で、自爆テロに導いた宗教指導者を非難する発言をしているようです。これはとても異例なこととのこと。


 で、僕はこの事件もきつい事件だと思いますが、この記事で一番きついと感じたのが、

ベールをかぶった女子大学生(21)は「私なら命じられても、子供を残して行くことはできない。家庭で子供を育て、占領との戦いを支えるのが、女性にとっての聖戦だと思う」と語ったという。

この部分です。彼女にとっては母親としての子供に対する愛情と、子供を戦士として育ててイスラエルとの「聖戦」送り出すのが不可分に結びついているということだと思います。
 先ほども「歴史の必然性」と書きましたが、彼らにとっては対イスラエル闘争はもう絶対的な物になっていると言うことです。その方法論は問われても、その闘争そのものの是非はここでは問題になっていません。


 父親は圧倒的な敵と戦い母親はその闘争のために子供を育てる社会、これはきついです。しかしこれがパレスチナの現実なのだろうと思います。育った環境が全く異なる僕には全く理解できない現実ですが、疑うことなくこの世界にこういう世界が存在するんです。
 この事件はここに紹介をし、思うところを述べることは出来ますが、評価し批判することは僕には出来ません。それほど僕の世界とは異なる世界なのです。