終に自衛隊派兵へ


 今日、航空自衛隊の先遣隊の第1陣約20名が成田空港から民間機でイラクに向けて出発しました。


 なんと言うか、民間機で平服でっていうのはいかがな物かと思うんですけど。僕はこの派兵には反対だし建前としては戦争をしに行くわけでもないというのも分かっています。また、通常の自衛隊の民間機による移動でも軍服は着用しないというのも知っています(一部例外あり)。
 でも、なんかここまでの大騒ぎになって、その第一陣があの写真って言うのもなんだか釈然としないものがあります。どうせ行くなら、日本の自衛隊としてきちんと専用機で軍服を着用して胸を張って行って欲しいと思います。別に自衛隊機じゃなくても、政府専用機でもいいと思うんですけど。民間機であれじゃぁ、冴えないサラリーマンの団体出張のようですよ。


 それはともかく、結局国内で生じたさまざまな議論にきちんと決着をつけないまま「先ず年内派遣ありき」で見切り発車しちゃいましたね。この辺の日本的な手法が将来に禍根を残さなければいいなぁと切に思います。派兵の是非も大事ですが、その決定のプロセスも大事です。
 首相は基本計画発表の当日の記者会見で説明責任を果たしたつもりでいるかもしれません。しかし「説明責任を果たす」というのは、相手に説明してきちんと納得させて始めて果たされるものだと思います。もちろん、政治の話ですから100%の賛成と言うのはありえないです。しかし、もっと目に見える形で多数の賛成が得られていることを国民が納得しないと説明責任を果たしたとは到底言えないでしょう。


 一連の小泉首相の行動の中で、もっとも日本の政治の浅はかさが現れたのが25日のアルジャジーラのインタビューに答えたというものです。

首相はインタビュー後、記者団に「復興支援、人道支援自衛隊が行く。戦争に行くんじゃない、とよく説明しました。イラク人が望む復興支援の手助けです」と語った。

小泉首相は言っているようですが、これって非常に日本的な「一度公に発言しておけば、説明し理解されたことにする」っていうのをイラクに当てはめているって言うことですよね。
 いくらなんでもイラクの人々が小泉首相アルジャジーラに一回出たぐらいで、その発言を鵜呑みにしてくれるとは思えないんですけど。もちろん、最初から自衛隊を受け入れてくれる人もいるんでしょうけど、そうでない人たちにちゃんと説明して日本の立場を説明する気は全くないんでしょうか?それとも本当にこれでイラク人に対する今回の自衛隊は件の説明は済み、イラク人に理解されるはずだと考えているんでしょうか?もし後者だとしたらそれは大変なことです。


 今回の自衛隊派兵は、自衛隊が国連の平和維持活動以外で他国の領土に入る最初の例になります。この派兵の成否によって自衛隊、ひいては日本の国際的な評価は大きく変わる可能性もあります。
 基本的には反対だし、その決定から実行へのプロセスにも大きな不満がある僕ですが、もう動き出してしまいました。現場の自衛官の方々は大変だと思いますが頑張って欲しいと思います。それこそ、将来の日本の国際社会での立場が彼らの双肩にかかっているといっても過言ではないのですから。