はてなでの個人情報の取り扱い


 モバチキさまから辿ったのですが、悪徳商法?マニアックスの管理人Beyond氏の個人情報をはてなが警察に対して開示したそうです。
 で、感情論的に今回の件を残念がるというのは分かります。僕も似たような思いはあります。でも、今回の件は恐らく法的には順当なものだと思います。


 というのも、Beyond氏自身がリンクを張られているように、今回のはてなの行動はプロバイダ責任制限法インターネット接続サービス等に係る事業者の対応に関するガイドラインに則って行われたものです。
 Beyond氏は18条にリンクすることによって、今回の警察からはてなへの照会を

、「法的拘束力の無い照会」ですので、規約を書いてそれらしく見せていますが、はてなが自由意志で開示したと言うことだと思います。

と理解した、或いは理解したいようですが、条文の読み方としてこれは適切ではないと思います。


 今回のはてなによる個人情報開示は、18条に「正当防衛の場合を除き」と明記されているように正当防衛のための個人情報開示だと考えられます。ビジネスとしてホスティングwebサービスを行っている以上、そこでの内容を管理する権限と責任は一次的にははてなにあります。しかしその内容の全ての法的責任を取っていてはホスティング型サービスが成り立たないからこそ責任制限法があるのです。
 今回の照会をはてなが拒否し、はてながBeyond氏のダイアリーの内容に関して訴えられた場合は、ほぼ99%はてなは賠償責任を負わなければならなくなります。つまり、今回のはてなの行動は責任法とそのガイドラインに則って行われた法的に順当な行為であると考えられます。Beyond氏の批判する(?)某社が批判的な発言に対しては法的手段を取るような会社であった場合、その法的責任を取るべきはBeyond氏であり、はてな内での匿名性がその法的責任を逃れる根拠にはなりません。そしてそのためにはてながBeyond氏の個人情報を警察に開示することは法的に許されています。


 もちろん、1ユーザーとしては自分が使っているホスティングサービス会社がその個人情報を警察に開示したことはちょっと気になります。しかしそれは自分が法的に問題のない行動を取れば関係のないことであり、ホスティングサービス会社が運営する日記サービスなどで、法的に問題を発生させそうな内容を書くことは控えるというのは別に特別なことではないと思います。
 何度も書きますが、はてなはビジネスとしてホスティングサービスをしているのであって慈善事業をしているわけではないのですから。今回の件で言えばBeyond氏は自分の主宰するHPでのみその言動を行えばよかったのであって、はてなにまでそれを広げてしまったことが問題の発端だと私は考えます。


 こういう、ホスティングサービスやISP、無料webスペースサービスなどでの個人情報の取り扱いや各種企業批判の取り扱いなどに関しては色々と問題になりますね。でも僕が思うのは、ユーザーは夢見るような匿名性や自由さを求めるのは筋違いだと思うんです。
 もちろん、悪徳商法?マニアックスのような活動は非常に有益だと思います。でもそれはやはり現実の企業や個人を扱うわけですから主催者個人の責任において行うべきであって、ホスティングサービスの中で匿名性に守られて行うものではないと思います。なぜならそれは、ホスティングサービス会社がわに損害を与える可能性のある行為なのですから。


 もちろん、モバチキさまが

なんか律儀に個人情報入れるのが馬鹿らしくなってきました。

というのも、一つの自己防衛の手段ではあると思います。ただし、突然そのホスティングサービスが使えなくなるリスクと背中合わせではありますけどね(^^;