イラクへの自衛隊派兵


 昨日イラク復興特別措置法に基づく自衛隊派遣の基本計画が発表されました。30分程度の会見で国民への説明責任を果たしたと思っているとしたらとんでもないことですよ>小泉君。


 それはともかく、クマさまのblogでも言われていますが、軍服を着て武装して派兵される自衛隊イラク、ひいてはアラブ世界でどのように思われるのか、評価されるのかはとても大事です。
 今よく言われる「世界で普通の国になる」って言うのはあくまでも西欧中心の国際社会での「普通の国」になるってことですよね。国連自体が最近は変わってきつつあると入ってもそもそも第二次大戦の戦勝国クラブっていう性格が強いものな訳ですから。多様化しつつある国際社会の中で「普通の国」なんてありえないと思うんですけど… アメリカに「普通の同盟国」として認めて欲しいだけでしょ?


 第一、今回の派兵って自衛隊の立場はいったいどういうものなんでしょう?PKOじゃないですよね。特措法を見ると国連加盟国のイラクでの活動の責務を果たすためって言うこと見たいですが、じゃあその活動主体としての自衛隊はどういう立場なの?軍隊なの?非戦闘部隊(?)なの?なんだかその辺もまったく説明されていません。
 以前の海外派遣のごたごたのときなんて、PKOかPKFかなんていう瑣末なことですら散々もめたのに、今回はまったく情念的な反対しかなくて、その辺をちゃんと整理して「これじゃダメ」「これならOK」っていうまともな議論がまったく見られませんでした。野党の力が落ちているって言うのの象徴かもしれませんね。


 ところで、もしイラク自衛隊が派兵されて先日の外交官殺害事件のようにイラク国内で邦人が危険にさらされた場合、自衛隊は実力行使してでも邦人を守ってくれるんでしょうか?もしそれが出来ないなら


自衛隊なんて止めちまえ


と思うのは僕だけでしょうか?特措法を見ると、どうも現地での邦人保護は念頭に内容なんですけどね。武力行使にも非常に制限がかかっているし。
 おそらく、邦人の危険が脅かされるような状況でも自衛隊は何も出来ないんじゃないでしょうか。そうなると本当に自衛隊の存在理由が脅かされます。その辺ちゃんと分かっているのかな?まさか、自衛隊イラク国内いいる間、邦人が危険にさらされるような状況は起こらないなんて言う訳の分からない前提があるんじゃないでしょうね?


 いろいろと問題をはらんでいる今回の自衛隊派兵。その問題の本質は、何かをするときにそこにある問題を解決せずにごまかしてやってしまおうとする日本の体質そのものにあると思います。そんな問題山積の中、何かのきっかけでそれらが噴出すと、イラク自衛隊員が大量に死んだり、日本国内でテロが起きて人が死んだりするって言うのが今回の深刻なところです。
 いろいろ不安がありますが、もしイラクに行くことになったら自衛隊の方は気をつけて頑張ってくださいね。っていうのも無責任な感じだな…