こういうのが良くないんだよ…


 こちらの記事に拠れば、経済産業省原子力安全・保安院放射能レベルが一般人の年間被曝限度の1/100以下のものを特別な管理を必要としない一般廃棄物として扱う方針を決めたとのこと。


 もうなんだかなぁ。こういう事してるから原発行政への不安感がぬぐえないんですよ。問題はその低レベル放射性廃棄物が本当に一般廃棄物にしていいものなのかどうかよりも、今まで放射性廃棄物として扱っていたものを一般廃棄物に変更する理由です。

老朽原発廃炉時代を迎えると、コンクリートや金属など大量の放射性廃棄物が生じ、処理に支障が出る。このため、欧米などで制度化されている「クリアランス」(規制除外)方式を導入することにした。

これが理由だというんです。つまり「低レベル放射性廃棄物処理に金がかかって原発事業の利益率が下がるので、これからは一般廃棄物とします」と言っているんです。別に研究しなおして危険性が無いことが確認されたとか、一般市民レベルでその危険性に対して甘受することが合意されたとかそういうことではありません。
 今回の決定はあくまでも原発事業、原発行政側の立場でそのコスト改善のために行われているということです。第一こんなん、その放射能レベル測定が決まったとおりに行われるとは到底思えないわけです、これまでの実績を見るに。近い将来に、リサイクル製品の中から許容量以上の放射能が検出されて大騒ぎになりそうな予感がします。


 僕は基本的には反原発ですけど、それほど原理主義的に反対するものではありません。もっとちゃんと安全管理をするならがある程度は必要なものなのかもしれないと思っています。
 しかし、安全を管理する立場のところが決定する放射性廃棄物の処理方法が安全性の立場からよりも事業の効率を重視した立場で決められるところに腹が立ちます。もちろん彼らは「いや、だから安全なんですよ」と言うでしょう。しかしそれならなぜ今まではダメだったのか?その分の廃棄処理のコストはどこで誰が払っていたというか?私たち電気利用者が安全のために払っていたコストを原発事業者の利益に回しますよって言う宣言でしょ?これ。


 そういうことを自覚しないでこういう発表をしてしまう頭の悪い官僚がこういう大事なことを決めているって言うのにも腹が立ちます。おまえらおんなじだますならもうちょっと上手に国民をだまさんかい、と。仕事も出来ない、国民もだませないって言うんじゃぁ、あんたらおまんま食い上げですよ。
 本当に、それをシレっと報道する大新聞もどうかしていますけどね。読者を舐めとったらあかんで、ホンマに。


 それにしても、これって覆らないのかなぁ。1/100とかいっても、こういう基準値ほど当てにならないものはないからなぁ。そのうち、疑心暗鬼に陥ってリサイクル製品が買えなくなったりしてそういう人が増えたりして、結局また元に戻ったりして…
 いずれにしてもちょっと納得できない話です。