PDAのシェア?

 各所で批判的に取り上げられている日経のPDAの世界シェアに関する記事。まあ、いつもながら日経はしょうもないなとは思いますが、これって、バカに出来る内容ではありません。
 

 確かに一般的に「シェア」と言った場合は出荷数ベースで考えられます。その出荷数ベースではいまだにPalmOS互換機が50%を上回っています。PPCは約35%で第2位ですね。
 もちろんこのことは重要で、日経の記事にもちゃんと併記してあります。しかしなぜタイトルを

「ポケットPC」勢が「パーム」勢上回る――PDA世界シェア

としたのか。もちろんスポンサーがらみの事もあるかも知れませんが、僕はそんなに単純ではないと思っています。


 PDAのマーケットもビジネスの場です。別に出荷台数を競い合ってチャンピオンを決めようとしているわけではありません。つまり、そこで儲けなくてはならないわけです。儲からないマーケットの行く先なんて火を見るよりも明らかです。
 そうすると売上高ベースのシェアというのも非常に意味があるモノだと言うことが分かります。PDA市場のどこで金が動いているか分かるからです。PDA市場で動いているカネはPalmOS互換機よりもPPCがらみのところで沢山動いていると言うことです。


 そもそも今のPalmOS互換機の1/5程度はZireです。100$を切っているPalmOS互換機であるZireは、登場以来飛ぶように売れています。Palm自体はその値段でも利益が出るようですが、会社全体としての赤字はなかなか解消されないし、販売店でも100$のPDAというのはあまり旨みのない商品でしょう。
 また、100$のPDAを買った人が周辺機器やソフトウェアにそれほどお金を掛けるとは到底思えません。つまり、安いPDAというのは販売拡大には非常に効果を上げますが、ビジネスとしてはあまり旨みのあるモノではないと言うことです。


 もちろん、PPC勢も200$程度で買えるiPaq19xxシリーズを筆頭に以前よりは低価格化してきています。そのiPaq19xxが凄く売れたアジア圏では2003年1〜3月期の台数ベースでhpがPalmを抜いてシェアのトップに立っています。
 しかしそれと同時にhpはハイエンドのh59xxシリーズもとても売れているんです。hpの利益も大きいようだし、周辺機器も沢山出ています。つまりビジネスになるんです。ハイエンドのT|Tが不調でビジネス的には苦しいPalmとは対照的です。


 もちろん上の記事のように、PPCPDAマーケットのNo.1シェアと強調するような記事はあまり良くないと思います。しかし、ビジネスという観点で考えると売上高ベースのシェアというのは非常に意味のある数字です。そのプラットフォームの将来性がそこで見えてくるからです。
 そう言う意味ではユーザーとしては台数ベースのシェアも良いですが売上高ベースのシェアも重視した方が良いかも知れません。ビジネスにならないプラットフォームは早晩消えていきますから。


 もちろん本当はあんまりプラットフォームのシェアなんてユーザーが気にするもんじゃないですけどね(^^; 僕もこの記事チラっと見てお終いだったんです。もう何年も前から売上高ベースのシェアって発表されてますし。ここのところは1位はずっとhpですね、売上高ベースだと。
 まあちょっと話題を呼んだようなのでネタにしてみました。