新しいインフラ形態?

 こちらの記事は要注目だと思います。というのも、まったく新しいネットワークインフラの提供形態になる可能性があるからです。


 というのも、これって今のb-mobileと同様の形態で1年間とか言う形で情報機器とパッケージングされて発売されるんですよね。ということは、単純に商品を納入されたら、もう他に何か手続きや支払いをする必要はなくて半年とか1年間はそのままネットワークに接続した状態で使えるってことです。
 これまでの「ネットワークインフラはネットワークキャリアと契約して使う」という常識が覆るわけです。商品の価格にそこまで全て含まれている。これはかなり画期的だと思います。


 また、日本通信はもともとMVNOとしてDDIPocketから回線を卸してもらうことでコストを抑えている通信キャリアですが、個人向けは1年分前払いという形でコストを下げています。これを、情報機器メーカーが一括して大口契約することでさらにコストを下げられる可能性があります。
 情報機器メーカーとしては今後のユビキタス時代のネットワークインフラとしてこの形態が情報機器の「付加価値」として価値があるなら、この部分へコストをかけてくるでしょう。


 またちょっと面白いのは、例えば本当にユビキタス時代になって家中のあらゆる電気機器がネットワークで結ばれるときに、それらを家庭内LANでつないでって言うのもいいですけど、それぞれに通信機器が入っているって言う形態もありえます。ただこれまでは、個人ユーザーにはその全ての回線料金を毎月払わなくてはならないという意味で非現実的でした。
 しかし、今回のような提供形態ならイニシャルコストが若干上がるだけで少なくとも一定期間は「回線契約」の意識を持つことなくネットワークインフラとしてその回線を利用できます。これまでネットワークインフラとして強みを持つPHSの最大の壁であった「複数回線契約」というくびきをはずすことが出来るかもしれません。

 
 もちろん、そうは言っても1年ごとに更新しなくちゃいけないとか、その分の値上がりを本当にカスタマーが納得してくれるのかとかって言う問題はあるかもしれません。でも、これまでのネットワークの提供形態とまったく違った形が可能性とはいえ出てきたというのは非常に面白いと思います。
 最初は企業向け中心で行くみたいですが、どんどんコンシューマー市場にも打って出て欲しいですね。PDAとかノートPCも、買ってきたら1年間はネットにつなぎ放題と買って言うなら結構いいと思うんですよね。販売価格は上がるかもしれませんが、ネット接続を前提にすれば、実質的には値下げになるという可能性もあります。


 ぜひ成功して欲しい試みです。