PDAのサイズ

Vins-T2003-08-02


 えりえりさまを発端に、山田@MNさまPDAのサイズについて論じられています。
 えりえりさまは主にhp h1920を肴に、小型PDAの良さを、山田@MNさまはSigmarin3を肴に、大型PDAのノートPCとの摩擦(?)を論じられています。どちらも納得のいく論です。


 そこでボクの意見ですが、本質的にはPDAという曖昧でありながら縛りの強いカテゴリーがそもそも問題だろうと思っています。結構良いと思っているのが、最近よく使われる非常に日本的な表現である「モバイル」。もうこれで良いんじゃないかと思っているんです。
 「モバイル」って多分、携帯からB5ノートPCぐらいまで含みます。そして、機能に関する規定を全く持っていません。単なる「持ち歩く情報機器」ぐらいの意味です。ユーザーはその中から自分の好きな、自分にあったモノを選んだり組み合わせたりして使っていきます。


 そう言う意味ではえりえりさまの言うように、大きなモノから小さなモノまで有ってしかるべきだし、もっと言えば、その中間の最近多いオールインワンで200〜300gって言うようなPDAも有って良いと思います。ただ、確かに最近そう言う「中間のモノ」ばかりでh1920のような昔ながらのPDA然としたモノは久しぶりでしょう。確かに実際に手にとってみたら、PalmVの時と同じインパクトはありましたね。
 でもそう言うh1920も、通信が重要視される日本では「モバイル」の中で他の通信が得意なデバイスと組み合わせて使わないと結構厳しいと思います。メールとWebはAirH"PHONEに任せるとか、常にノートPCを持ち歩いて会社やホットスポット無線LANを使うとか。


 山田@MNさまの論に関しては、議論自体は非常に納得のいくモノですが、Sigmarion3がミニノートPCを駆逐すると言うのは現実的には起こり得ないだろうと思います。というのも、逆説的ですが現在すでにミニオートPC市場というのは崩壊していますから(^^;
 やっぱり、LOOXSやVAIOUクラスをOne&Onlyで使うのは難しいし、実際はそれほど「ミニノートPCを常に持ち歩く」っていう需要など無いようです。というのも、PCを常に持ち歩きたい人って仕事に使う人が殆どです。である以上、B5ノートPCクラス以上のユーザービリティは必要とされるわけですね。仕事に道具でもないのに15〜20万出してくれる人なんてそうはいないわけです。じゃあ5万ならいるのかというと、僕はそんな人も殆どいないだろうと思います。Sigmarion2の末期のように2万円前後で売られれば結構売れるでしょうけど、それはあくまで「気楽に買えるデジタルガジェット」として買われるのであってノートPCのリプレイスというモノにはなり得ないでしょう。


 そう言う意味ではSigmarion3クラスの大型PDAの需要も実は非常に少ないのではないかと思います。っていうより、PDA市場全体が非常に小さい(^^; 「モバイル」市場全体の中の一部でしか無いわけです。その「モバイル」市場の約90%は携帯電話なんですね。
 そう言う意味では小さなPDAは携帯に、大きなPDAはノートPCに吸収されていくって言うのは当然だろうと思います。まあ本質的にPDAってのは、PCが持ち運べない時代にデジタルデータを何とか持ち運べないかと言うところから始まったみたいな部分があります。また、携帯が単なる電話だった時代は、その携帯を使って通信することが出来ないかと言うことでPDAにネットワーク機能が付加されました。PCが持ち運べて、携帯にネットワーク機能が実装されつつある今、その成り立ちからしPDAの存在は難しくなりつつあるんですよね。


 もちろん今のPDAは、ノートPCや携帯と比べてもとても便利な面は沢山あります。「万能手の平端末度」ではPDAが圧倒的でしょう。一番の問題は「万能手の平端末」を求めている人が少ないって事ですよね。これはPDAを大きくしようが小さくしようがあまり変わらないんです。
 世の中には「PCが欲しい」人と「携帯が欲しい」人が殆どです。だから「PDA機能」を将来に残していくためには小さなPDAは携帯に、大きなPDAはPCに吸収されて行かなくてはなりません。


 結局僕の意見は、もう「こういうPDAが良いんじゃないか」みたいな議論はちょっと空しいって言うことです。今PDAで行っている様々なことを今後いかに「モバイル」で出来るようにしていくか、そう言うことを考えたいんですね。
 まあ、スマートフォンとマイクロPCという答えもすでにあるんですけど(^^; でもそんな簡単なことではないと思っているんで、いろいろごちゃごちゃと考えたいわけですね。